Tuesday, May 24, 2016

長野市の博物館で「天狗の麦飯」の調査

<博物館学芸員課程>

環境危機管理学科きのこ研究室の糟谷大河です。5月24日に,長野市の戸隠地質化石博物館に行き,標本の調査をしました。

戸隠地質化石博物館。閉校になった小学校の校舎を利用しています。

博物館は長野市西部の山間にあり,かつて小学校の校舎だった建物の中には,長野市周辺で産出する化石標本,松代群発地震の際に掘削された深層ボーリングコアなどの地質標本や,さまざまな動物の標本,昔の理科の実験器具などが所狭しと並んでいて,学校の理科室を探検しているような感覚で見学できます。今回の訪問の目的は,最近,長野市内の小学校で発見された「天狗の麦飯」というモノの標本を調査することです。

「天狗の麦飯」の標本。昭和14年に採集された標本で,70年以上も小学校に眠っていました。いったいこれは何者なのでしょう。

「天狗の麦飯」とは「食べられる砂」としても知られ,黒姫山や飯縄山周辺など,長野県の限られた地域にのみ産出するという,奇妙なモノです。「天狗の麦飯」は,細菌類など,いくつかの微生物が集合してできるといわれていますが,詳しいことはわかっていません。今回は,博物館と共同で,小学校から見つかった「天狗の麦飯」の標本に,どのような微生物が含まれているのかなどを調べるための作業をしました。

70数年ぶりにふたを開けられた「天狗の麦飯」の標本。一部を取り出して,培養したり,遺伝子解析用の試料を調製します。

今日は,地元の新聞社も調査の様子を取材に来ました。これから,この「天狗の麦飯」が何者なのか,詳しく調べていく予定です。それにしても,学校の理科室にはお宝が眠っているのですね。こうした,学校に眠る資料を収集して研究するとともに,社会に発信していくことは,地域の博物館の大切な使命です。そして,大学も博物館と連携して,このような資料の調査研究を行っています。

地元の新聞記者が調査の様子を取材に来ました。

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